太陽光発電を導入して節電したい。口コミのいい業者に任せれば心配いらない!
このように考えている方はめちゃくちゃ危険です。
実際に私は仕事の関係上、ちゃんとした業者が設置した太陽光発電を検査しているのですが、
発電した電気を全く使えていない。節電出来ているのは日没の一時間だけ
という施設を目の当たりにしたことがあります。
これって詐欺じゃないの!?
太陽光発電を設置した施設の方に説明しても、
「社長に伝えておきますねー」
といった感じでいつも濁されてしまいます。
めちゃくちゃ損している状況なのに全然気にしてない様子なので信じられません。
これから太陽光発電システムを導入する方に向けての注意喚起したい!という思いからこの記事を執筆しました。
この記事では太陽光発電システムについて以下の項目を詳しくご紹介しています。
- 絶対に損をする太陽光発電の施工例
- 太陽光発電の種類
- 損をしない太陽光発電の導入方法
- 業者選びのポイント
「全て業者にお任せー」では詐欺られる可能性が大きい。
かといって、自分で太陽光発電について勉強しようにも難しい説明や用語が多く使われていて理解できない。
このように感じている方は是非この記事を参考にしてみてください。
損をしない太陽光発電の導入が可能となる基礎知識
を身に付けることができます。
太陽光発電の導入には高額な費用がかかるので、失敗しないためにもこの記事を活用してみてください。
私は電気設備の点検をする仕事をしており、さらに自分の家に自作太陽光発電を導入してしまうほど夢中になっています。
電気の知識はあるけど太陽光発電に関してはド素人。
そんな私が一般の方でも簡単にイメージできるくらい噛み砕いた内容で太陽光発電について解説をしています。
自作太陽光発電では月額1,000円程度の節電に成功しています。
自作太陽光発電についてもっと知りたい!という方は併せて下記の記事を参考にしてみてください。
太陽光発電を自作する手順を電気屋の私が詳しく紹介【無資格でもできる】
目次
絶対に損をしている太陽光発電の導入事例
私が検査の担当をしていた
太陽光発電を導入して確実に損をしている施設
を例にして内容をご紹介していきます。
この施設がどのような仕組みの太陽光発電になっているかというと、
ソーラーパネルで発電した電気をそのまま消費するタイプの全量自家消費型
という太陽光発電システムです。
この施設に導入した全量自家消費型の太陽光発電の特徴がこちら
- 電力会社に売電しない
- 発電した電気を蓄電しておく蓄電池がない
- 発電しすぎた場合、電力会社に電気が逆流しないように安全装置がついている
- 比較的安価で導入可能
消費している電気の一部を太陽光で賄いたい!なるべく安く導入したい!という場合に導入されます。
ハッキリさせておきたいことが、
この全量自家消費型の太陽光発電を導入すれば絶対に損をするわけではありません。
全量自家消費型の太陽光発電を導入して節電に成功している方はいっぱいいらっしゃいます。
勘違いしないようお願いします。
ではなぜ、全量自家消費型の太陽光発電を導入している施設では損をしているのか!というと、
ソーラーパネルを設置しすぎていて常に消費しきれない多くの電気が発電されている。そのため電気の逆流を防ぐ安全装置が常に動作してしまい発電がストップされるから
です。
曇りの日に状態を確認したのですが、安全装置が働いて常に発電がストップしていました。
発電のしすぎでストップするなんてありえない!
数値を確認すると、
ソーラーパネルで発電する電流値が50Aに対して、消費している電流値が20A
でした。
快晴だと発電量はもっと増えるので常に安全装置が働いてしまうのも納得です。
この施設で太陽光発電が正常に稼働するタイミングがこちら
- 雨の日で発電量が少ないとき
- 日没で発電量が少ないとき
- 発電している電気量より消費している電気量の方が多いとき
これじゃあ何百万円もかけて設置した太陽光発電が全然使い物になりません。
導入前に方向性をしっかり検討しなければ紹介した施設のように100%損をすることになります。
記事の後半では「損をしないポイント」をご紹介しているので参考にしてみてください。
太陽光発電の種類
損をしない太陽光発電を導入するには、太陽光発電の種類を把握しておく必要があります。
太陽光発電の種類を把握することで、発電した電気をどのように消費されるのか明確なビジョンを持つことが可能。
太陽光発電にはどのような種類があるのかを把握せず、全て業者任せにしてしまうと導入後に「こんなはずではなかった。。」と後悔することになりかねません。
太陽光発電の種類は大きく分けて3つのタイプに分類できます。
- 全量売電タイプ・・・発電した電気を電力会社に全て売電する
- 余剰売電タイプ・・・発電した電気を消費しつつ消費しきれない電気を売電する
- 全量自家消費タイプ・・・発電した電気を全て消費する
タイプごとに太陽光発電の概要、施設から聞いたリアルな声を詳しくご紹介していきます。
全量売電タイプの概要とリアルな感想
全量売電タイプは発電した電気を電力会社に全て売電する太陽光発電システムです。
一般的にはソーラーパネルが何百枚も設置されているような施設で、人目に付かない山奥や広大な農場や牧場で多く導入されています。
メリット
・発電した電気を無駄にすることなく全て売電できる
デメリット
・電力会社が決める売電価格が下がると利益が下がる
・設備が大きくなると保守・管理費用が発生する
・設備維持・更新に費用がかかる
・漏電事故がよく発生する
仕事の関係上、メガソーラーと言われる全量売電タイプの太陽光発電の検査をすることがあります。
このとき施設の方に聞いた情報が、
売電することでかなり儲かる。けど漏電による緊急停止事故は多いし、清掃や除雪といった維持費がめちゃくちゃかかる
です。
全量売電タイプの太陽光発電は、
業務用で儲かる金額も大きいけど維持管理にかかる費用も大きい
と感じます。
15年~20年経過し設備全体を更新しなければならなくなったとき必要となる費用を考えただけでもゾッとします。
余剰売電タイプの概要とリアルな感想
余剰売電タイプは発電した電気を消費しつつ消費しきれない電気を売電する太陽光発電システムです。
一般家庭や少し大きめの施設で、老人ホームや近郊にある農場や牧場で多く導入されています。
メリット
・確実に電気代が安くなる
・節電すればするだけ売電の電気代が高くなる
・発電した電気を無駄にしない
デメリット
・電力会社が決める売電価格によって儲けが変動する
・「売電に必要な設備」と「自家消費に必要な設備」の両方が必要で設置費用が高額
個人的には剰売電タイプが太陽光発電の効力を最大限活かせるシステムだと思っています。
節電を頑張ることで消費する電気量を調整することが可能です。なので「電力会社が決める売電価格によって儲けが変動する」というデメリットを和らげることができます。
余剰売電タイプを導入している施設では、
売電価格がかなり下がったのでポータブル電源を充電して自家消費する電気量を増やした。充電したポータブル電源を使ってできるだけ電気を消費している。
という対策をとっているようです。
余剰売電タイプとポータブル電源の組み合わせは相性がめちゃくちゃいい。
全量自家消費タイプの概要とリアルな感想
余量自家消費タイプは発電した電気を消費する太陽光発電システムです。
一般家庭や老人ホームのような施設で、常に誰かが常駐している施設に導入されています。
メリット
・設置費用が比較的安価
デメリット
・発電しすぎると安全のため発電がストップする
・発電した電気無駄にしてしまう可能性がある
・発電した電気を日中しか使えない(蓄電池なしの場合)
他のタイプに比べて設備設置費用が安いので、全量自家消費タイプの太陽光発電を導入される方が多い傾向にあります。
しかし、他のタイプの太陽光発電に比べて発電した電気を無駄にしてしまう可能性が高いので効率が良いとは言えません。
ですが、全量自家消費タイプの太陽光発電に容量の大きい蓄電池を組み合わせることで発電した電気を無駄にせず消費しきることが可能です。
蓄電池があれば夜間や停電のような災害時にも発電した電気を消費することができるので使いやすさが格段にアップします。
全量自家消費タイプで蓄電池がない施設の担当者が、
電気代は安くなったけど電気代0円にすることができない。クーラーを頻繁に稼働させる夏の期間は電気代が高く感じる
と言っていました。
発電しすぎて安全装置が働かないように1年を通して電気を最も消費しない時期で太陽光発電の規模を選定するので、
電気をよく消費する夏場になると発電量が物足りないと感じようです。
太陽光発電の規模を大きくするには「売電するための設備を増設する」または「蓄電池を増設する」必要があります。
損をしない太陽光発電の導入方法
太陽光発電の導入で損をしないための方法がこちら
- 現状どの程度の電気を消費しているのか把握する
- どの程度節電したいのか明確にする
- 太陽光発電システムの基礎知識を身に付ける
- 正確なシュミレーションを出してもらう
- 業者を信用しない
これらの項目をクリアにすることで損をしない太陽光発電を導入することができます。
現状どの程度の電気を消費しているのか把握する
太陽光発電の導入では必ず「現状の使用電力量」の情報が必要です。
「使用電力量」は電気料金の検針票ですぐに調べることができます。
検針票がこちら
我が家の7月使用電力量は384kWh。
この使用電力量の情報があれば、どの程度の規模の太陽光発電を導入すべきなのかを具体的に検討することができます。
どの程度節電したいのか明確にする
太陽光発電でどの程度節電をしたいのか明確なビジョンがなければ、どれくらいの規模の太陽光発電を導入すればいいのか検討することができません。
例えば、
月額1000円程度の節電をしたい!場合と、毎月の電気代を0円にしたい!場合では太陽光発電の規模が大きくことなります。
導入費用に100万円以上の違いが発生すると思います。
節電したい金額を設定すると以下のような流れで太陽光発電の規模を選定していきます。
月額5000円の節電をしたい。
↓
毎月200kwh発電すればいい
↓
ソーラーパネルが10枚必要
↓
20kwhの蓄電池があれば便利
目標設定はとても大切なので導入前にしっかり検討しておきましょう。
太陽光発電システムの基礎知識を身に付ける
太陽光発電の導入を業者に依頼する前に基礎知識を身に付けておくことはとても重要です。
基礎知識を身に付けず全て業者に丸投げでは、詐欺レベルの手抜き施工をされても気づかずに何百万円もかかる設備を導入されてしまう可能性があります。
私の個人的な考えとして「太陽光発電システムの基礎知識」は、上記で紹介した「太陽光発電の種類」を把握しておくだけで十分だと思います。
もっと深く太陽光発電について勉強しようとすれば、「ソーラーパネルの容量」「パワーコンディショナーの容量」「蓄電池の容量」など専門的な勉強が必要となり、めちゃくちゃ大変です。
売電タイプにするのか、自家消費タイプにするのかを業者と打ち合わせできるレベルの基礎知識を身に付けておきましょう。
正確なシュミレーションを出してもらう
太陽光発電の対応や規模を確定する前に、業者から正確なシュミレーションをいくつか出してもらうことがとても重要です。
ポイントとなるのが、「正確な」シュミレーションです。
以下のようなシュミレーションでは話になりません。
4人家族、建物面積35坪の一般家庭だから太陽光発電の容量は20kwhというシュミレーションになります。
このアバウトなシュミレーションで感じる疑問がこちら
- 20kwhがどの程度の電気を発電できるのかよくわからない
- 夫婦ともにテレワークで日中もガンガン電気を使うけど発電は足りるのか
- 夏と冬で電気の消費量に差があるけどどのくらい電気を売電できるのか
もっと具体的にシュミレーションしてくれないと全然イメージできません。
私だったら即、業者を変更します。
例えば、こんな感じのシュミレーションだと安心して任せることができるのではないでしょうか。
現状で夏場1日の使用電力量が〇〇kwh、冬場1日の使用電力量が〇〇kwh。
なので、容量が〇〇kwhの太陽光発電を導入すれば夏場の電気代が〇〇円、冬場の電気代が〇〇円安くなる。
さらに〇〇kwhの蓄電池を追加すれば1日停電したとしても電気を使うことができます。
太陽光発電の導入は高額な設備投資ですので、これくらい具体的なシュミレーションを依頼して導入を検討しましょう。
業者を信用しない
太陽光発電は「電気」という専門的な知識が必要になるため自然と業者任せになってしまう傾向にありますが、業者を100%信用してはいけません。
お客さんにぴったりの太陽光を導入しようと努力してくれる業者もいますが、日々の業務をこなすだけの業者がめちゃくちゃ多いのが現実です。
仕事の関係上、電気工事の方や太陽光発電の設計をする方と打ち合わせをすることがありますが、
え?そんな感じでシュミレーションして施工しちゃってるの?
と感じる業者が多いと感じています。
冒頭で紹介した「絶対に損をしている太陽光発電を導入した施設」がいい例です。
- 太陽光発電の発電量は天候に左右されるのでシュミレーション通りいかない
- 専門的な知識と技術が必要なのでお客さんが深く理解できない
- こんなものか!と諦めてしまうお客さんが多い
このような理由から詐欺施工しても問題にならないケースが多いので業者側も考えが甘くなる!と私は考えています。
業者を100%信用するのではなく、太陽光発電についてある程度理解したうえで業者に依頼しましょう。
業者選びのポイント
私が「絶対この業者には担当をお願いしたくない!」と感じるポイントがこちら
- 消費している電気量の測定をしてくれない
- 難しい専門用語をいっぱい使ってくる
- パッケージでしか商品を選べない
- アフターサービスが2年~3年しかない
- 設置費用の元をとるのに20年異常かかるシュミレーションしか提出しない
「このような項目に該当する業者を選ばない」これが良い業者選びのポイントです。
施工が丁寧かどうか、アフターケアをしっかりしてくれるか、など
業者の良いところを契約前に見つけるってなかなか難しい。
でも業者の悪いところというのは打合せをしてすぐにわかってしまうものです。
「なんとなく不安。。」と感じたら別の業者を検討しましょう。
太陽光発電は設備を設置して終わりではありません。
発電した電気を上手に使えているのか!運用方法に間違いがないのか!など
運用後でなければイメージしずらいポイントがいくつもあります。
なので、設置業者とは導入前から運用後まで長期にわたりお付き合いをしていくことになります。
この業者なら安心して任せられる!という業者選びを心がけてください。