リン酸鉄リチウムイオンバッテリーってどんなバッテリー?
こんな疑問にお答えします。
結論から言うと、
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは安全性が高く寿命が長いのでアウトドアや災害時はもちろん太陽光発電システムのバッテリーとして利用できる
です。
私は電気設備の保守管理をする仕事をしていていろんな種類のバッテリーを点検しています。
それに加え、プライベートでは自作太陽光発電システムを作ってしまうほどバッテリーの利用や節電にのめり込んで取り組んでいます。
電気を生み出すって面白い
そんな私が、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの「特徴」「メリット・デメリット」「おすすめの使い方」などを詳しくご紹介しています。
オフグリッドするためのバッテリーを探している、自ら電気を生み出し節電したい!
このように考える方は、是非この記事を最後までご覧いただきリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの魅力を確認してみてください。
目次
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーとは
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの特徴深く理解していただくために、
リチウムバッテリーにはどんな種類があってそれぞれどんな特徴があるのか!
をご紹介していきます。
リチウムイオンバッテリーとは、リチウムイオンと言う化学物質が使われている電池のことで以下のような種類があります。
リチウムイオンバッテリーの種類
- コバルト系
- ニッケル系
- マンガン系
- 三元系
- チタン酸系
- リチウムポリマー系
- リン酸鉄系
リチウムイオン以外に使われている物質や電解質の種類の違いによって種類が分けられていて、
当然のことながら種類が異なるとバッテリーの持つ特徴も異なります。
安全性の違いや使用用途の違いを比較したものがこちら
https://www.e-hasegawa.co.jp/
リチウムイオンバッテリーの特徴は、
大容量で高出力だと熱暴走する可能性があり安全性が低い!安全性が高いとエネルギー密度が低くなる
です。
容量が1000Whクラスのポータブル電源には三元系のリチウムイオンバッテリーがよく使われていましたが、最近はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載したポータブル電源が増えています。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、
リチウムイオンバッテリーの中でも安全性が最も高い。でもエネルギー密度が低いので製品を小型化、軽量化することが難しくなる
ということになります。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのメリット・デメリット
実際にリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使ってみて、「バッテリーがあることで発生するメリット、デメリット」をご紹介します。
使ってみて感じるメリット
- 好きな場所で電気を産み出せる
- 安全性が高い
- 長期間使える
- 停電時電気の心配がなくなる
- 節電として利用できる
- 投資(電気代先払い)効果がある
使ってみて感じるデメリット
- 持ち運びに不便
- 値段が高い
- 廃棄時期がわかりずらい
- 設置スペースの確保が必要
バッテリーを購入して感じたメリット、デメリットをご紹介しました。
個人的には、
0から電気を自ら産み出したいと考えているならリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは圧倒的におすすめ。
だけど、高額な買い物になるため「どのように利用するのか」「どれくらい利用するのか」「設置スペースは確保できのか」など、手に入れた後のシミュレーションをよーくした方がいい。
と感じています。
バッテリーがあれば生活に欠かせないエネルギーである「電気」を、貯蓄し自由に取り出すことが可能になります。
停電やアウトドア、節電などいろんなことに利用することができ、電力会社から電気を購入しない生活(オフグリット)を送ることだって夢ではありません。
しかし、「値段が高い」「広い設置スペースが必要」といったデメリットもあります。
購入してから「置き場所がなくてやっぱり使えなかった!」はありえません。
数万円無駄にすることに。。。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのメリット・デメリットをしっかり把握した上で採用しましょう。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの使い道
いろんな種類のバッテリーを扱ってきた私が感じる、
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの「おすすめの使い道」「おすすめできない使い道」
を詳しくご紹介します。
おすすめの使い道
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめの使い道がこちら
- 太陽光発電システム(節電のため)
- アウトドア、キャンピングカー
- 災害時の非常用電源
電気を生み出す!というシチュエーションで大活躍すること間違いなし!
他にもいろんな使い道があるかと思います。
「こんなときバッテリーがあれめちゃくちゃ便利!」といったシチュエーションを発見次第、随時情報を更新していきます。
太陽光発電システム
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、
ソーラーパネルで発電した電気を蓄電しておくためのバッテリーとして利用する
ことができます。
容量の大きいものであれば、消費電力の大きいドライヤーや電子レンジのような家電製品を稼働させることが可能です。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの場合、寿命が長く長期間使い続けることができるので一度設備してしまえば、10年~20年使い続けることができます。
余裕で元がとれちゃいます。
アウトドア、キャンピングカー
バッテリーがあれば、
コンセントのない場所で100Vの電気を自由に使える
ようになります。
コンセントの電気を持ち運ぶイメージ
キャンプやバーベキュー、車中泊のときバッテリーがあれば電気に困ることはありません。
容量の大きいバッテリーがあれば家にあるコンセントと同じように電気を使うことだって可能です。
パネルヒーターや電気毛布を使っても全然余裕
バッテリーがあるかないかでアウトドアの内容がガラッと変わります。
頻繁にアウトドアをする!というなら絶対に抑えておきたい設備です。
災害時の非常用電源
災害はいつなんどき発生するかわかりません。
急に電気が使えなくなったら「スマホの充電できない」「冷蔵庫内の食品が腐ってしまう」などいろんな問題が発生します。
私は2018年に発生した北海道胆振東部地震で4日間の停電生活を経験しました。
このときはまだバッテリーを持っていなかったので、電気を産み出すことができず「スマホの充電ができない」「夜明かりがない」などの問題でめちゃくちゃ苦労しました。
このときは車のシガーソケットからの充電でなんとか凌ぎました。。
電気が使えないというだけでもの凄く不安で精神的にキツい生活を強いられてしまいます。
- いつまで停電が続くかわからない
- 夜明かりがないと精神的に不安になる
- 冷蔵庫内の食料が腐らないか心配
バッテリーがあれば長期間にわたる停電が発生しても安心です。
おすすめしない使い道
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめしない使い道がこちら
- バッテリーを頻繁に持ち運んで使用する
- 消費電力の大きい家電製品だけ使用する
同業者のバッテリーの使い方を見せてもらったことがあるのですが、
こんな使い方をするなら勿体ないなぁ
と感じたことがあります。
そんな私の経験談からリン酸鉄リチウムイオンバッテリーのおすすめできない使い道をご紹介します。
バッテリーを頻繁に持ち運んで利用する
「車で使用するために頻繁に積み卸しをする」「外出先で使用するために毎日移動させる」
このような使い方はあまりおすすめすることができません。
バッテリーの電気を使用するには、インバーターという電気を変換する設備が必要になります。
バッテリーを持ち運んで電気を使用する!ということはこのインバーターも一緒に持ち運ばなければならないということです。
かなりめんどくさい!
「電気」を頻繁に持ち運びたいのであれば、バッテリーではなくポータブル電源が圧倒的におすすめです。
最近は出力1000W以上で一人でも持ち運びできる程の重量といったポータブル電源が増えています。
バッテリーはあくまで、据え置いて電気を貯蓄するための設備なので移動は必要最低限にしておきましょう。
消費電力の大きい家電製品を短時間だけ使用する
ドライヤーや電子レンジを稼働させるためだけにリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使っている
このような使い方もあまりおすすめできません。
瞬発的に大電流が流れる家電製品ばかりバッテリーの電気で稼働させてしまうと、
バッテリーとインバーターへの負担が大きくなり寿命を短くしてしまう可能性があります。
さらに、ドライヤーや電子レンジだけをバッテリーの電気で稼働させても節電効果は高くありません。
照明やエアコン、ストーブのように長時間電気を使っているような家電製品を稼働させる方がはるかに節電効果が高いと言えます。
節電効果が薄いにも関わらずバッテリーを痛めてしまう使い方は得策ではありません。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使ってみたレビュー
私はLiTimeのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを太陽光発電システムのバッテリーとして利用しています。
バッテリーを使い始めて、現在約1年が経過。
使ってみた感想を詳しくご紹介していきます。
LiTimeのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
太陽光発電システムのバッテリーとして利用しているのが、LiTimeの12V 200Ah Plus LiFePO4 内蔵200A BMS です。
Li Timeでは、持ち運びしやすいコンパクトタイプのものから1日の電気を賄えるくらいの大容量のものがラインナップされています。
我が家では消費電力が1500Wのドライヤーを稼働させたい!という思いがあったので、「最大継続充電/放電電流」が200A以上の製品を採用することに。
他のメーカーのバッテリーも調べたのですが、
充電電流が200A以上の製品の扱いが少ない!製品があったとしてもめちゃくちゃ高い!
といったこともありLi Timeに決めました。
我が家では、バッテリーの電気を使って以下の家電製品を稼働させています。
- ドライヤー
- 洗濯機
- ノートパソコン
- サーキュレーター、扇風機
- スマホ、タブレットの充電
これだけの家電製品をバッテリーの電気で稼働させるとかなりの節電効果があります。
月額1000円くらい節電しています
今後はバッテリーの電気で稼働する家電製品を増やし、ソーラーパネルを増設する予定です。
目指すはオフグリット生活
実際にLiTimeのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを使ってみた率直な感想をご紹介します。
安全性が高い
LiTimeのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは安全性が高い。
夏場、室温が25℃を越える中バッテリーを使っても全然発熱することはありません。
本体を触ってみてもほんのり暖かい!
という程度です。
バッテリー本体よりも接続しているケーブルの方が熱を帯びてしまいます。
発熱に関してはバッテリー本体よりも「ケーブルの太さ」に注意が必要
発熱しにくいリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは夏場でも安心して使えるので、安全面を考えると初めてバッテリーを購入するような初心者の方でも安心して扱うことができるバッテリーだと思います。
過放電させてしまった
夜間、使っている負荷の電源を切り忘れて、バッテリーを過放電させてしまったことがあります。
その時の状態がこんな感じ
- チャージコントローラー に過放電を意味するエラーが表示されている
- インバーターの電源が入らない
- ソーラーパネルからの発電電流が常に0A
過放電させてしまうと、バッテリーの「バッテリー管理システム(BMS)」が働き負荷を繋いでも電気を出力しないという状態になります。
さらに、バッテリーの機能なのか、ジャージコントローラーの機能なのか、は不明ですがソーラーパネルからバッテリーに流れるはずの充電電流が強制的に流れない!という状態に。。
充電させることも放電させることもできなくなる!ということです。
利用目的が太陽光発電システムのバッテリーとしてだったので、過放電を解決するための専用バッテリー充電器を持っておらずめちゃくちゃ焦りまりました。
- 過放電させてしまったらどうやってバッテリーを復活させればいいの?
- バッテリー充電器を購入するまでずっと過放電状態?バッテリーによくなさそう
- 過放電から復活させるためだけに充電器を買うのはいやだなぁ
いろんな思いが頭をよぎりましたが、結果的にチャージコントローラーの設定を変更するだけでバッテリーを復活させることに成功しました。
下記の記事では、過放電したバッテリーを復活させることができたチャージコントローラーについて詳しくご紹介しています。
RENOGYのMPPTチャージコントローラーを使ってみた感想
バッテリーを復活させるための設定方法詳しくも掲載されているので是非参考にしてみてください。
今では過放電・過充電のストレスなくバッテリーを使用しています。
安全に使える大容量バッテリーなら絶対にLi Timeがおすすめです。
LiTimeでは定期的に割引キャンペーンを行っています。
サマーセールの割引時期に購入しました
通常販売期間はお買得ではないので時期をズラした方が絶対お得ですよ。
公式ホームページでわかりやすく「プライスダウン」が表示されているのでチェックしてみてください。
バッテリーに蓄電した電気を消費する方法
太陽光発電システムを自作して気づいたのですが、
バッテリーに蓄電した電気の消費方法ががめちゃくちゃ難しい
ということです。
ソーラーパネルやチャージコントローラー、バッテリーなどを設備して太陽光発電システムを作ってしまうと、何もせずとも毎日バッテリーが充電されます。
この充電された電気を効率よく消費しなければ、常にバッテリーが満充電状態となってしまうので効率的にバッテリーを利用しているとはいえません。
節電にも繋がらない。。
こんな問題を解決するためにバッテリーに蓄電した電気を消費する方法を試行錯誤することに。
実際に我が家が実施している方法をいくつかご紹介します。
家の中で電気を消費する方法
バッテリーを仕事部屋に据え置いて利用しています。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの場合、容量が大きくなればなるほど本体・重量が大きくなるので、利用目的に合った容量選びがとても重要です。
仕事部屋のほとんどのスペースがバッテリーに占拠されてしまった。。
バッテリーを据え置いて蓄電した電気を消費する方法がこちら
- 延長コードで遠くに電気を持っていく
- ポータブル電源を充電して電気を持ち運ぶ
- ブレーカーを解放し二次側に接続する(電気工事士の資格が必要)
延長コードの利用が一番簡単な電気の消費方法ですが、常にコードが剥き出しになる!というデメリットがあります。
我が家は常に延長コードが伸びている状態
延長コードでは、
「扇風機やサーキュレーターをずっと稼働させる」「灯油ストーブ、100V用のエアコンを稼働させる」
という使い方をしています。
常に電気を消費し続けてもバッテリー本体が発熱することはほとんどありません。
夏場、室温が30℃という高温下でもバッテリーをいつも通り問題なく使用することができます。
バッテリー選びは安全性が最優先!と考えている方は絶対にリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがおすすめです。
個人的には、2つ目のポータブル電源を充電して電気を持ち運ぶがめちゃくちゃおすすめです。
バッテリーに蓄電した電気を計画的に消費することができます。
- バッテリーが満充電になったからポータブル電源に電気を移しておこう
- 雨の日でバッテリーの充電が少ないからポータブル電源への充電はやめておこう
- 晴れの日が続くからポータブル電源を積極的に使おう
バッテリーとポータブル電源の二刀流は最強です
3つ目のブレーカーに直接配線する方法は、
コードが剥き出しになる心配がなく照明やコンセントも使えるようにるが、電力会社の電気と発電した電気をぶつけてしまう恐れがある
のでめちゃくちゃ危険です。
電気の知識があって問題ない!という方だけ挑戦してみてください。
アウトドアで電気を消費
一度、キャンプで充電したバッテリーとインバーターを使ってみたことがあります。
感想は、
電気がなくなる心配がないので照明やスマホ、タブレットを使いたい放題。
ただし、雨が降ってきたとき水がかからないように保護するのがめちゃくちゃ大変。
です。
結果的に、
アウトドアには重くて運びずらいリン酸鉄リチウムイオンバッテリーではなく、持ち運びしやすいポータブル電源で十分。
だと感じています。
キャンプではいつも以下のような家電製品を利用しています。
- サーキュレーター
- ランタン・懐中電灯
- ブロワー
- パネルヒーター・電気毛布
- ドライヤー
- ポータブル冷蔵庫
電気を自由に使える!ことでかなり贅沢なキャンプにすることができます。
下記の記事では、持ち運びに便利なポータブル電源(JVC BN-RB37-C)を使ってみたレビューを詳しくご紹介しています。
ポータブル電源JVC(BN-RB-37C)を使ってみた正直な感想
アウトドアにピッタリのサイズ感なのでめちゃくちゃおすすめです。是非チェックしてみてください。
車の中で使ってみた
車(プロボックス)に太陽光発電システム一式を積み込んでプチ車中泊旅行をたことがあります。
感想は、
日光の当たる場所を選ぶことができるので発電し放題。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーなら車内温度が上がっても心配がない。
ただし、プロボックスだと車内スペースがちょっと足りない。
です。
ハイエースやキャンピングカーのような大きい車なら太陽光発電システム一式の積み込みはめちゃくちゃおすすめです。
バッテリーで「電気」に不自由のない快適な生活が送れる
バッテリーがあると「電気」を好きなタイミング、好きな場所で利用できるようになります。
使えてあたりまえ!と思われがちな「電気」ですが、山奥だったり海水浴場では思うように電気が使えないことがほとんどです。
我が家には5歳と3歳の子どもがいて頻繁にキャンプやアウトドアに行っていますが、バッテリーを購入してから「電気」に関して不自由を感じたこと一度もありません。
小さいお子さんがいる家庭にこそバッテリーは必需品
大自然の中、電気ポットでお湯を沸かして入れるコーヒーは格別。
初心者でも安心して扱えるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーがあれば、誰でも「電気」に不自由のない生活をスタートさせることが可能です。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーをゲットして、いつでもどこでも好きなタイミングで電気を使うことのできる快適な生活を手に入れましょう。