放電した蓄電池をチャージコントローラーで復活させる方法|専用充電器がなくてもOK

こんにちは。

電気大好き節電オタクのマメ父ちゃんです。

 

「蓄電池が完全に放電してしまって、もう充電できない…」と困ったことはありませんか。

 

太陽光発電システムを自作して節電生活を送っている私も、曇りの日が何日も続いたとき、蓄電池が過放電に近い状態になり充電も放電もできなくなった経験があります。

 

これはレノジーのチャージコントローラーが過放電を示している表示画面です。

レノジーチャージコントローラー

 

蓄電池の保護回路(BMS)が動作してしまうと、チャージコントローラーが過放電を検知してしまいます。

ソーラーパネルからの充電も電気の使用もストップしてしまうため、めっちゃ焦る。。。

 

でも、安心してください。

専用の充電器がなくても、チャージコントローラーのバッテリー充電パラメーター設定を変更するだけで、放電した蓄電池を復活させることができます。

 

この記事では、蓄電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)が過放電でBMSロックした状態から、チャージコントローラーを使って再充電するまでの手順をわかりやすく解説します。

電気の知識がなくても大丈夫なように写真を使ってシンプルに説明しますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

 

太陽光発電システムと蓄電池の基本をおさらいしよう

まずは、今回のテーマを理解するために、太陽光発電システムの仕組みをざっくりおさらいしておきましょう。

仕組みを知っておくと、「なぜ蓄電池が充電できなくなるのか」というトラブルの原因がスッと頭に入ってきます。

 

12V太陽光発電システムの機器構成

私が自宅に導入している12V太陽光発電システムは、ソーラーパネル・チャージコントローラー・蓄電池・インバーターの4つの機器で構成されています。

太陽光発電システムの機器構成

 

それぞれの役割を簡単に説明すると、こんな感じです。

まずソーラーパネルは太陽の光を受け取って電気を作る装置です。

ソーラーパネル

 

晴れた日には活発に発電してくれますが、曇りや雨の日はほとんど発電しません。

 

次にチャージコントローラーは発電した電気を蓄電池に安全に届ける交通整理役です。

チャージコントローラー

 

蓄電池に対して過充電や過放電が起きないよう、電圧や電流をコントロールしてくれる大切な機器です。

 

そして蓄電池は発電した電気をためておくタンクです。

蓄電池

 

私はリン酸鉄リチウムイオン蓄電池(2.4kWh×2台)を使っており、容量合計4.8kWhという大きなタンクで電気をためています。

 

最後にインバーターは直流電気を家電で使える交流電気に変換する装置です。

インバーター

この4つがうまく連携して、太陽の光が家の電気になるという仕組みになっています。

 

蓄電池の保護回路(BMS)とは何か

蓄電池には、BMS(Battery Management System* という保護回路が内蔵されています。

BMSは「蓄電池を守るための番人」のようなもので、電圧が低くなりすぎたとき(過放電)や高くなりすぎたとき(過充電)に自動でシャットダウンしてくれます。

つまり蓄電池を長持ちさせるために、わざと電気の出入りを止めてしまう機能です。

 

これは蓄電池を守るためには必要な仕組みなのですが、いざ動作してしまうと「充電もできない・電気も使えない」という状態になり、知らない人からすると「壊れた!」と感じてしまいがち。

しかし正しい方法で対処すれば、ほとんどのケースで復活させることができます。

 

蓄電池が放電してしまう原因と予防策

次に、なぜ蓄電池が過放電に近い状態になってしまうのかを見ていきましょう。

原因を理解しておけば、同じトラブルを繰り返さない予防策も自然と見えてきます。

 

曇り続きや悪天候が続くとどうなるか

蓄電池の過放電が起きやすい最大の原因は、曇りや雨の日が連続して太陽光発電量が激減しているにもかかわらず、電気を使い続けてしまうことです。

晴れた日であれば、ソーラーパネルが昼間にどんどん発電し、蓄電池を充電してくれます。

 

しかし、曇りの日が3日・4日と続いてしまうと、発電量はぐっと下がり、電気を使うばかりでなかなか充電できない状態が続きます。

私が使っているリン酸鉄リチウムイオン蓄電池は合計4.8kWhの容量があるため、多少の悪天候でも数日は持ちます。

しかし限界はあります。

 

長期間の悪天候が続けば、蓄電池残量がゼロに近づいてBMSが動作してしまうリスクがあります。

 

過放電を防ぐためのチャージコントローラー設定

過放電を防ぐためには、チャージコントローラーのパラメーター設定が非常に重要です。

私はレノジー(Renogy)のチャージコントローラーを使っており、バッテリー充電パラメーターの設定を「USER(カスタム設定)」にして運用しています。

この「USER」設定では、蓄電池の電圧が一定以下になったとき(=過放電になる手前のタイミング)に、自動で充放電を止める設定です。

チャージコントローラーの表示画面

 

つまり、蓄電池が完全に空になる前に「ストップ!」をかけてくれる仕組みです。

 

完全に放電してBMSが動作する前に充放電を止める設定にしておくことが、蓄電池を長持ちさせるための基本中の基本です。

これはメーカー推奨の保護動作より手前で止めるイメージで、蓄電池に余裕を持たせた運用といえます。

 

チャージコントローラーで放電した蓄電池を復活させる方法

それでは、いよいよ本題です。

蓄電池のBMSが動作して充電できなくなった場合、レノジーのチャージコントローラーの設定変更で復活させる方法を解説します。

 

なぜチャージコントローラーの設定変更で復活できるのか

BMSが動作して蓄電池がロック状態になると、蓄電池の出力電圧がゼロ(もしくは非常に低い電圧)になってしまう。

 

通常、チャージコントローラーは「バッテリーが接続されていること」を確認してから充電を開始しようとします。

しかしBMSがロックして電圧がほぼゼロの場合、チャージコントローラーは「バッテリーが接続されていない」と判断し、充電をしてくれないことがあります。

 

ここで役に立つのが、チャージコントローラーのバッテリータイプ設定の変更です。

設定を「USER(カスタム)」から「LFP(Li)=リン酸鉄リチウムイオン標準設定」に変更すると、チャージコントローラーがバッテリーの状態を再判定し、充電を再開してくれるケースがあります。

 

画面右下の表示を「Li」にするだけ。

 

具体的な操作手順(レノジーのチャージコントローラーの場合)

実際の操作はとてもシンプルです。

まず前提として、私のシステムにはレノジーのMPPT(最大電力点追従制御)チャージコントローラーを使っています。

操作パネルでバッテリー設定の変更が可能です。

 

手順①:チャージコントローラーのバッテリータイプ設定を確認する

通常時、私は「USER」に設定しています。

この状態では独自の充放電カットオフ電圧を細かく設定できます。

 

手順②:バッテリータイプを「USER」から「LFP(Li)」に変更する

ここが今回のポイントです。

「USER」設定から「LFP(Li)」というリン酸鉄リチウムイオン専用の標準設定に切り替えます。

 

この設定はメーカーが定めたデフォルト値で、過放電後の再起動を考慮した電圧設定になっています。

 

手順③:ソーラーパネルに日光が当たるのを待つ

設定変更後、晴れた時間帯にソーラーパネルから電力が供給されると、チャージコントローラーがバッテリーの充電を再開します。

電圧が回復し始めると、BMSも動作を解除してくれます。

 

手順④:ある程度充電されたら「USER」設定に戻す

充電が始まってバッテリー電圧がある程度回復したら、安全のために設定を「USER」に戻してください。

「LFP」の標準設定は私の運用には最適化されていないため、長期間「LFP」のまま運用することはおすすめしません。

 

充電を再開し、ある程度時間が経過したら「USER」に戻して問題ありません。

 

ソーラーパネルから蓄電池に向かう矢印に動きがあれば、再充電成功です。

 

復活作業をするときの注意点

この操作を行うときに、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

 

1つ目が、完全放電が長期間続いていた場合は注意が必要です。

過放電のまま長時間放置したリン酸鉄リチウムイオン電池は、セルが劣化していることがあります。

復活作業をしても電圧が回復しない場合は、電池の劣化が疑われます。

 

2つ目が、充電が始まったら異常な発熱や異臭がないか確認することです。

異常が感じられた場合はすぐに充電を止め、専門業者に相談することをおすすめします。

 

3つ目が、この方法はレノジー製チャージコントローラーでの実績を元にしていることです。

他メーカーのチャージコントローラーでも同様の設定変更はできる場合がありますが、メーカーごとに操作方法や設定項目は異なるため、取扱説明書をよく確認してください。

 

 

太陽光発電システムがあれば専用充電器はいらない

ここまで読んで、「蓄電池の専用充電器を別で用意しないといけないの?」と心配になった方もいるかもしれません。

 

結論からいうと、

正しく構築された太陽光発電システムがあれば、専用充電器は基本的に不要

です。

 

チャージコントローラーが専用充電器の役割を担う

そもそもチャージコントローラーは、ソーラーパネルの電力を適切な電圧・電流に変換して蓄電池に充電するための機器です。

言ってしまえば、チャージコントローラー自体がソーラー専用の充電器です。

 

BMSが動作するような極端な過放電状態でなければ、天気さえ回復すれば自動的に充電が再開されます。

私はリン酸鉄リチウムイオン蓄電池2.4kWh×2台という大容量システムを運用していますが、過放電でBMSが動作した場合も、今回紹介したチャージコントローラーの設定変更だけで対処してきました。

 

専用充電器は一度も使ったことがないのが実情です。

 

電気の知識がなくても安心して使えるシステム

「電気の知識がないと自作太陽光発電システムは難しいんじゃないか…」と不安を感じている方も多いと思います。

確かに最初は難しく感じるかもしれません。

 

しかし、システムを正しく構築してしまえば、日々の運用はとてもシンプルです。

晴れた日は発電して蓄電池に充電、曇りや夜間は蓄電池から放電して使う——この繰り返しです。

 

トラブルが起きたとしても、今回紹介したような手順で対処できる場合がほとんど。

大切なのは「最初にしっかり設計・設定をすること」「自分のシステムの状態を把握しておくこと」の2点です。

これさえできていれば、電気の専門知識がなくても発電した電気を安心して使い続けることができます。

 

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まとめ

最後に、この記事の内容を簡単に整理します。

 

曇りの日が続いて蓄電池の電気を使い続けると、蓄電池が過放電に近い状態になり、保護回路(BMS)が動作して充電も放電もできなくなることがあります。

こうなると「壊れた!」と思いがちですが、多くの場合はチャージコントローラーの設定変更で対処可能。

 

具体的な手順は、チャージコントローラーのバッテリータイプ設定を「USER」から「LFP(Li)」に変更するだけです。

設定変更後に晴れて発電が始まれば、蓄電池への充電が再開され、BMSロックも解除されます。

 

充電が回復したら、安全のため設定を「USER」に戻すことを忘れずに行ってください。

また、こうしたトラブルを未然に防ぐためには、チャージコントローラーの「USER」設定で完全放電の手前で充放電を止めるパラメーターを設定しておくことがとても有効です。

 

正しく構築された太陽光発電システムがあれば、専用充電器がなくても蓄電池を長期間安心して運用することができます。

電気の知識がなくても、システムをしっかり理解して設定しておけば、発電した電気を使い続けることは十分可能です。

 

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