【DIY太陽光】ドライヤーを使ったとき蓄電池に流れる電流は何Aか検証してみた?

こんにちは。電気大好き節電オタクのマメ父ちゃんです。

 

「インバーターでドライヤーを使うとき、ケーブルにはどれくらいの電流が流れるの?」「ケーブルはどのくらいの太さが必要なんだろう?」

そんな疑問を持ったことはありませんか?

 

自作太陽光発電システムを組み立てるにあたって、意外と見落としがちなのが『ケーブルの選定』です。

ケーブルに流れる電流の大きさによって、採用すべきケーブルの太さが変わってきます。

 

細すぎるケーブルを使ってしまうと、発熱、溶断、最悪の場合は火災につながる。

逆に、何も考えずにとにかく太いケーブルを採用すれば無駄にコストがかかってしまいます。

 

この記事では、

実際に12V蓄電池+インバーターの環境でドライヤーを使い、ケーブルに流れる電流を検証した結果

をご紹介します。

 

ケーブル選定の考え方と合わせてわかりやすく解説していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

そもそも電流ってなに?ケーブル選定との関係

自作太陽光発電システムを作るうえで、電流の基礎知識は避けて通れません。

電流・電圧・ケーブルの許容電流、この3つの関係を正しく理解することが、安全なシステムを組む第一歩になります。

 

電流・電圧・消費電力の関係をおさらいしよう

電気の世界では、「電力(W)=電圧(V)×電流(A)」という公式が成り立ちます。

つまり、消費電力(W)が同じであれば、電圧(V)が低いほど流れる電流(A)は大きくなるということです。

この考え方は、交流電源(AC)と直流電源(DC)両方に当てはまります。

 

たとえば、消費電力1200Wのドライヤーを100V(家庭用コンセント)で使う場合、インバーターの二次側(AC電源)に流れる電流は1200÷100=12Aになります。

ところが、インバーターの一次側(DC電源)には、単純計算で1200÷12=100Aもの電流が流れます。

インバーターと蓄電池間のケーブルがDC電源回路に当てはまります。

 

この「電圧が低いと電流が大きくなる」という仕組みこそ、12V系の自作太陽光発電でケーブル選定が重要になる最大の理由です。

 

電流が大きくなればなるほど、細いケーブルは発熱しやすくなる。

発熱が続くと被覆が溶けたり、最悪の場合は断線・火災のリスクにつながります。

 

許容電流(そのケーブルが安全に流せる電流の上限)を超えないよう、ケーブルの太さを選ぶことが非常に大切になります。

 

ケーブルの「許容電流」とは?

ケーブルには、安全に流すことができる電流の上限値があります。

これを「許容電流」と呼びます。

 

許容電流はケーブルの断面積(sqまたはmm²)によって変わります。

断面積が大きい(太い)ほど、より多くの電流を流すことができます。

 

たとえば、よく自作DIYで使われる2sqのケーブルの許容電流は、使用環境にもよりますが概ね20〜30A程度です。

 

100A近い電流が流れる可能性があるにもかかわらず、2sqのケーブルを採用してしまうと、発熱・溶断の危険性がある

となります。

 

反対に、安全のためにとりあえず100sqのような極太ケーブルを採用してしまうと、必要以上にコストが上がってしまいます。

また、太いケーブルに端子を付けるための専用工具が必要かどうかも確認しなければなりません。

 

ケーブルの太さ選定は「安全性」と「コスト」のバランスを取ることが大切です。

 

12V蓄電池+インバーターでドライヤーを使ったとき電流はどれくらい流れる?

ここからが本記事のメインテーマです。

 

理論値として計算するのは簡単ですが、

本当に100Aもの電流が流れるのかを確認することは、安全なシステムを組むうえでとても重要なこと

です。

 

導入した12V自作太陽光発電システムを使って、ドライヤーを使ったときに流れる電流を実測してみたのでご紹介します。

 

我が家の12V太陽光発電システムの構成

まず、我が家の12V太陽光発電システムの構成をご紹介します。

12V太陽光発電システム

 

蓄電池はLiTime12V200Ah、チャージコントローラーはレノジーMTTP40A、インバーターはリョクエン2500Wを採用しています。

 

ソーラーパネル

 

ソーラーパネルはレノジー175W×3枚です。

 

このシステムを日常的に活用することで、電力会社から購入する電気代を大幅に節約しています。

なお、この自作太陽光発電システムの詳しい配線方法や費用、節電効果については、こちらの記事で徹底解説しています。

→ → → 「【太陽光発電システムを自作してみた】配線方法・費用・節電効果を徹底解説」記事はこちら

 

実際に計測してみた結果

それでは、実際に計測した結果を見ていきましょう。

 

使用したドライヤーは一般的な家庭用のもので、消費電力は強風モード時に約1200W発生する機種です。

 

インバーター〜蓄電池間のケーブルにクランプメーターをあて、ドライヤーにはワットモニターを接続しています。

 

上記の写真ではドライヤーOFF状態で5.83Aという電流が流れていますが、これはドライヤー以外の家電に流れている電流値なので気にしないでください。

 

測定結果がこちら

電流測定

 

  • ドライヤーの消費電力・・・1207W
  • インバーター〜蓄電池間のケーブルに流れる電流・・・119.5A

 

これは先ほど紹介した理論値(1200W÷12V=100A)とほぼ一致する数字です。

インバーター自体の変換ロスや他の家電の使用で消費されている分も加わるため、理論値より若干大きくなる場合もあります。

 

この結果から、

12V系のインバーター出力でドライヤー(1200W程度)を使う場合、蓄電池〜インバーター間のケーブルには約100Aの電流が流れると考えて設計するのが安全

ということになります。

 

DC回路には、許容電流が100A以上のケーブルを採用すると安心です。

一般的に、50sq〜60sq程度のケーブルであれば100A前後の許容電流に対応できますが、ケーブルの敷設状況(束ねているかどうかなど)によっても許容電流は変わるため、余裕を持ったサイズを選ぶことが大切です。

 

ただし、私の個人的な意見としては、

ドライヤーのような消費電力が大きい家電を使うのは短時間でケーブルが発熱する前に使用を止める。なので太さ38sqのケーブルでもいい

という考えです。

 

38sqと60sqとでは、扱いやすさに天と地ほどの差があります。

できれば太さ38sqのケーブルを使いたいですよね。

 

実際に、消費電力1200Wのドライヤーを10分間使い続けたところで、溶断するほどケーブルは発熱しません。

 

ケーブル太さの選定で失敗しないためのポイント

ここまでの話で、12V系のインバーター出力でドライヤーを使うと、蓄電池〜インバーター間のケーブルには大電流が流れることがわかりました。

では、実際にケーブルの太さを選ぶときに、どのような点を意識すればよいのでしょうか。

 

使用する家電の消費電力を確認する

ケーブル太さを決める第一歩は、「そのケーブルに最大でどれくらいの電流が流れるか」を把握することです。

これを計算するには、インバーターにつないで使う家電の消費電力(W)を確認する必要があります。

 

消費電力÷システム電圧(12V)で電流を計算できます。

ドライヤー(1200W)なら1200÷12=100A、電子レンジ(1000W)なら1000÷12=83A、電気ケトル(1200W)なら1200÷12=100A、といった計算になります。

最も消費電力が大きい家電を基準にケーブルを選定するのが基本的な考え方です。

 

また、インバーターの最大出力を基準にしてもよいでしょう。

たとえばインバーターの最大出力が1500Wであれば、最大電流は1500÷12=125Aになります。

インバーターの最大出力を基準にケーブルを選ぶことで、どんな家電をつないでも対応できる安全な設計になります。

 

許容電流に余裕を持たせた太さを選ぶ

計算した最大電流に対して、許容電流に余裕を持たせたケーブルを選ぶことが大切です。

電流が許容値ギリギリのケーブルを使い続けると、じわじわと発熱が蓄積され、長期間の使用で被覆の劣化や絶縁性能の低下につながります。

 

一般的に、許容電流の80%以下の電流で使うことが推奨されています。

つまり、100Aの電流が流れると想定するなら、許容電流125A以上のケーブルを選ぶのが安心です。

ただし、太いケーブルは価格が高く、また硬くて配線作業もしにくくなります。

 

ここまでは、ネットや参考書に書かれているケーブルの太さを選定する基本的な考え方です。

先ほどもご紹介しましたが、

私の個人的な意見としては、消費電力の大きい家電を短時間しか使わないのであれば許容電流で定められているケーブルよりも細くても問題ない。実際に私は38sqケーブルを採用していますが問題が起こったことは一度もない。

ただし、電子レンジを1時間以上使い続けるような使い方では細いケーブルの採用はおすすめできないので注意してください。

です。

 

必要以上に太いケーブルを選ぶと、費用とコストの両面で無駄が生じてしまいます。

安全性を確保しつつ、必要以上に太くしすぎないバランス感覚が、ケーブル選定のコツといえます。

 

ケーブル長も考慮する

ケーブルの太さを選ぶ際には、ケーブルの長さも考慮する必要があります。

 

ケーブルが長くなればなるほど電気抵抗が増える → 電圧が降下 → 電流が増加 → 発熱する

というサイクルが発生します。

 

特に、大電流が流れる蓄電池〜インバーター間のケーブルは、できるだけ短く設置することが理想的です。

距離が長くなる場合は、太いケーブルを採用しましょう。抵抗を下げることができます。

 

我が家の12V太陽光発電システムでは、インバーターと蓄電池を近くに設置

12V太陽光発電

 

30cmのケーブル長で配線できる配置にしています。

 

実際に使ってみてわかったこと・安全性の確認

理論と実測値を紹介してきましたが、ここでは私が実際にインバーター出力でドライヤーや電子レンジ、電気ケトルを毎日のように使い続けてみてわかったことをお伝えします。

 

日常的に大電流家電を使い続けた結果

私の12V自作太陽光発電システムでは、インバーターを通じてドライヤー・電子レンジ・電気ケトルといった消費電力の大きい家電を、日常的にほぼ毎日使っています。

システムを組んでから長期間が経過していますが、蓄電池〜インバーター間のケーブルが異常発熱したことは一度もありません。

 

これは、

消費電力の大きい家電の使用は短時間で済ませ連続使用はしない。インターバルを持たせているから

です。

 

適切なケーブルを選定し、工夫して消費電力の大きい家電を使用すれば安全に運用できることが、実際の使用を通じて確認できています。

 

安全のために絶対に守ってほしいこと

最後に、12V太陽光発電システムを組む方にぜひ守ってほしいことをお伝えします。

 

ケーブルの許容電流を必ず確認することが最重要です。

使用するケーブルのメーカー資料や仕様書で、使用環境における許容電流を確認してください。

特に、ケーブルを束ねて設置する場合は許容電流が下がるため、注意が必要です。

 

また、ケーブルの接続部分(端子・ラグ端子)も重要です。

接続部の接触不良があると、その部分だけが過熱することがあります。

端子の圧着は確実に行い、接続後に軽く引っ張ってみてしっかりかしまっているか確認する習慣をつけましょう。

 

ケーブルの発熱は目に見えにくいため、定期的に放射温度計やサーモグラフィでの温度測定を実施することが大切です。

発熱を数値で管理できればより安全に運用することができます。

 

こちらの記事では、実際に私が愛用している放射温度カメラとサーモグラフィカメラの使い心地の比較をご紹介しています。

→ → → 「放射温度カメラとサーモグラフィカメラ導入するならどっちがおすすめ?」記事はこちら

 

まとめ

この記事では、12V蓄電池+インバーターでドライヤーを使ったときにケーブルに流れる電流と、ケーブル選定の考え方についてお伝えしました。

最後に内容を整理します。

 

12V系のインバーターでドライヤー(1200W程度)を動かすと、蓄電池〜インバーター間のケーブルには約100Aの電流が流れます

これは「消費電力÷システム電圧」という計算で求められる理論値とほぼ一致する数字です。

 

この大電流に対応するためには、許容電流に余裕を持ったケーブルを選定することが欠かせません。

許容電流を超えるケーブルを使い続けると、発熱・溶断・最悪の場合は火災につながります。

 

一方で、安全のためにとにかく太いケーブルを採用してしまうと、費用が無駄に膨らんでしまいます。

使用する家電の消費電力やインバーターの最大出力をもとに最大電流を計算し、その電流値に対して許容電流に余裕を持ったケーブルを選ぶことが、安全でコスト効率のよい設計です。

 

私の自作太陽光発電システムでは、インバーター出力でドライヤーや電子レンジ・電気ケトルを毎日使い続けていますが、ケーブルの異常発熱は一切経験していません。

適切なケーブル選定と工夫した家電の使い方で、安全に大電流家電を使い続けられることが実証できています。

 

ケーブルの太さ選定に自信がない!という方は、こちらの記事で紹ダウンロードできる『ケーブルの太さ自動判定ツール』を活用してみてください。

→ → → 「太陽光発電システム自作マニュアル【必要材料・ケーブルの太さを自動判定】」記事はこちら

 

安全を最優先に電気DIYを楽しみましょうー。

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